
古代の教会の祈祷書では、今日の祭日は「聖大天使ミカエルの奉献」と呼ばれていました。この出来事を理解するためには、5世紀後半、教皇ゲラシウス1世の時代に起きたあるエピソードを知る必要があります。
アプリア地方には、かつてガルガーノと呼ばれ、現在ではモンテ・サンタンジェロまたは天使の山と呼ばれる山があります。その近くで、ある牧羊者が家畜を見守っていました。すると、一頭の雄牛が群れから離れ、山の森へと入り、茂みに隠れた洞窟の入り口へと進んで行きました。
牧羊者はその牛を洞窟から追い出し、群れに戻そうとしましたが、その際、矢を放ちました。ところが、その矢は方向を変え、大きな勢いで彼のもとへ飛んできました。この出来事に牧羊者とその場にいた人々は恐れおののき、誰も洞窟に近づこうとしませんでした。そこで彼らは隣町シポントにいる司教のもとへ行き、この出来事を報告しました。
その地に神の神秘が隠されていることを疑わなかった司教は、神がその神秘を慈悲深く示されるよう、3日間の断食と祈りを共同体に命じました。3日が過ぎると、大天使ミカエルが司教に現れ、牛が逃げ込んだ場所が彼の特別な保護下にあると告げました。そして、その場所を神の栄光と聖ミカエルおよびすべての天使の記念に捧げることを望んでいることを明らかにしました。
司教はこの啓示に大いに喜び、聖職者と民衆を集め、啓示の内容を伝えた後、大規模な行列を組織して山を登りました。そこには、岩を掘って作られた教会のような大きな洞窟がありました。入り口の上部には開口部があり、洞窟全体に光が差し込んでいました。その場所でミサの聖なる犠牲を捧げるために必要だったのは祭壇だけでしたが、それは敬虔な司教によってすぐに設置されました。その後まもなく、この教会は聖ミカエルとすべての聖なる天使に捧げられ、大いなる荘厳さをもって奉献されました。